お昼休みに学食で先輩を待っていると、後ろの席から「時給3000円って書いてあったのに出来高制って何よ!」と憤慨している声がする。声の方を向くと同じサークルの1個上の先輩だ。俺の視線に気づくと先輩はバツが悪そうな笑顔を見せたがすぐ一緒にいる女の子たちと話に戻っている。時給3千円なんてどんな仕事だろうか。六本木や銀座のクラブホステスか何かだろうか。綺麗な先輩ならありえる話だが、出来高制とはまた大変そうな仕事だ。

わかやま林業労働力確保支援センター

俺も今日、先輩に新しいバイトを紹介してもらう約束だが、そこは確か時給900円。夜勤でも千円ちょっとだったはずだから、女は女と言うだけで稼げる求人があり羨ましいものだと思う。

もしも失業した時1番にすること  | nanapi [ナナピ]

先輩が来たので一緒に学食を出ると、生協に寄って履歴書を買っていくことにした。俺が履歴書を手に取ってレジに並んでいると、後ろから先輩も何か本のようなものを持って並んでいる。今日紹介してもらうガソリンスタンドは、先輩が大学1年生の時から続けている職場だ。先輩が続けられなくなりそうなので、お世話になったオーナーに求人の手間をかけさせないよう、信頼できる後輩を紹介するということになり、俺に白羽の矢が当たったのだ。



そういえば、先輩がガソリンスタンドを辞めなきゃいけない理由を聞いていなかった。聞こうと思って振り向くと、先輩はこれから買う予定の本を熱心に読んでいた。海外留学に関係する本だった。そうか、留学するんだ。俺たちの新歓コンパの時、留学するために費用とバイトで貯めていると自己紹介していた先輩を思い出した。夢に向かって努力している先輩が、本当にまぶしく感じた。