私の家系は、遺伝的にどうにも虫歯になりやすい傾向がある様子で、母も祖母も昔から歯医者に頻繁に通っていたのを覚えています。特に祖母は、私がものごころついたころには50歳を越えていましたが、その時点で既に歯をすべて入れ歯に変えており、毎晩それを外して大きなコップに入れて消毒していました。
その「歯が外れる」ということが当時の私にはとても不思議で、「おばあちゃん、どうして歯が取れるの?」と何度も祖母に聞いたものです。そうすると祖母は、私の質問には答えず、ただ「あなたはしっかり歯を磨いて、虫歯にならないように気を付けなさい」とだけ私に言って聞かせていました。

不正咬合の種類 | 歯列矯正のスペシャリスト

そんな祖母が、「人工歯根療法」と呼ばれる入れ歯に代わる新しい治療法を試したのは、私が中学入った年のことです。「それってなぁに?」と聞く私に、祖母は「お医者さんがしっかりと噛める歯を作って、それをおばあちゃんに取り付けるのよ」と、今度は内容をしっかり話してくれました。今思うと、祖母は本人なりに、人工歯根療法=インプラント治療を用いてしっかりとご飯を噛んで食べれるようになるのを楽しみにしていたのではないかと思います。



結局、祖母の人工歯根療法には8か月ほどかかりましたが、終わった後は、入れ歯にはあった食事の制限もなくなり、どんな食材でも「おいしい、おいしい」と、何でも食べるようになっていました。その嬉しそうにご飯を食べる横顔は、祖母がなくなって一年経った今でもはっきり思い出すことができます。

歯の発育・歯のはえる順番(若葉歯科医院・調布市仙川)

今となっては、あんなにおいしそうに食事をするようになれたのだから、きっと祖母は人工歯根の施術を受けて良かったのだと、私は思っています。